世界の長寿者たちとその長寿の要因

さて、現代において世界の長寿記録として公式に認められているのはジャンヌ・カルマンさんの122歳なわけですが、過去の歴史上、長生きだった人にも目を向けてみることにしましょう。

古今東西の長寿者たち

現代でも職業としては僧侶の平均寿命が長いと言われています。そこで、過去の僧侶の寿命を見てみましょう。
まず仏教の開祖の釈迦は80歳。

2600年くらい前の人なので日本でいえば縄文時代にあたります。縄文時代は先にも書いたように大人でも30歳くらいの寿命だったということなので、当時のインドは文化的に高い地域で、生活水準が高かったのでしょう。もちろん社会的立場で生活水準や寿命に大きな差があったでしょうけれど。


インド出身で中国で禅宗を開いた達磨大師。この人は面壁九年ということで9年間壁に向かって座禅したことで有名です。ダルマさんとして親しまれています。この方、伝説では150歳まで生きたとか。しかも最後はその名声を妬まれて他の僧侶に暗殺されたといいます。殺されてなかったら一体いつまで生きたのでしょうか。ちなみに時代としては4世紀から6世紀にかけて生きた人です。

次に日本の僧侶にも目を向けてみましょう。平安時代の最澄は54歳、空海は60歳なのでまあ普通ですね。鎌倉時代は道元53歳、明恵58歳、日蓮60歳あたりは普通ですが、法然の78歳、親鸞の89歳は長寿と言っていいでしょう。


江戸時代では徳川家康の参謀的立場であり、江戸を設計したと言われる天海という僧がいます。この人の生年ははっきりしないのですが、一説によると108歳まで生きたのだとか。 

一方、古い時代の中ではギリシャも高い文明を誇ったので長寿者が多そうです。


2500年くらい前に活躍したソクラテスは70歳。でも最後は死刑だったので、もっと生きられたかもしれません。その弟子のプラトンは80歳、アリストテレスは62歳です。ヒポクラテスは90歳。さすが医学の父です。ディオゲネス89歳、ピタゴラス86歳。こう見てくるとやはり高度な文明を誇った地域では長寿の人が多そうですね。

長寿の世界記録かもしれない人-その人の名はトーマス・パー

現代では公式の長寿記録はフランス人カルマンさんの122歳ですが、それをはるかに超える長寿の人がいたという記録もあります。
その人の名はトーマス・パー。152年間生きたそうです。
トーマス・パーはイギリス人で1483年に生まれました。この人は農夫として生涯を送ったのですが、だからこそこの人の年齢には信ぴょう性があるのです。どういうことかと言うと、パーは小作農であったため借地契約を書面で行っており、一定の期間ごとに契約更新をしているんです。その記録から彼の年齢をたどることができるのです。それでは少し、パーの人生を見てみましょう。
パーはなんと80歳の時に初めての結婚をします。80歳で初婚なんてそれ自体、規格外ですね。そして、105歳のときには美人の女性との間に子供を作ってしまい教会で懺悔をさせられます。112歳の時に妻を亡くしてしまいますが、なんとその10年後、122歳の時に未亡人と再婚します。どんだけ元気なんでしょうね。これだけ長生きだと当然、イギリスでもそのことで有名になってきます。パーに興味を持ったある伯爵が彼をチャールズ1世に会わせることにします。それでロンドンに連れて行って館に住まわせるのですが、程なくして亡くなってしまいます。それは1635年11月15日のことでした。トーマス・パー152年の生涯でした。
死後、彼の体を血液循環を発見したことで有名な医師ハーベイが調べたところ、死因は急性の消化不良でした。質素な食生活を100年以上続けてきたパーにとって上流階級の食事は体に合わなかったのでしょう。何を食べるかということの重要性を物語っていると思います。ただ彼の内臓自体はまるで青年のようだったと記録されています。内臓が健康であることも長寿の一つの条件なのかもしれません。

できることなら有名にならず質素な食生活を続けて長寿の記録を延ばしてほしかったものです。
なお、スコッチ・ウイスキーの「オールド・パー」はトーマス・パーにちなんで名づけられたお酒です。ラベルに貼られた彼の肖像画は有名な画家ルーベンスの手によるものです。

健康なセンテナリアンを目指そう!

さてさて昔も今も長寿の人は結構いるものですね。特に、2500年前のインドやギリシャよりも文明が発達したこの日本に生きている多くの人は、100歳まで生きることは不可能ではないと思います。


センテナリアンという言葉があります。100歳以上の人物のことです。世界には45万人以上のセンテナリアンがいるそうです。日本にも2016年時点で65000人を超える100歳以上のお年寄りがいると発表されています。

あなたはもしかしたら100歳以上になるには良い遺伝子に恵まれなければなれないと思っているかもしれません。でもデンマークの双子の追跡調査の結果には希望があります。双子は遺伝子的には同じですが、だからと言って同じくらいの寿命になるとは限りません。調査結果では遺伝要因が25%、環境要因が75%と発表されています。
110歳以上のスーパーセンテナリアンと呼ばれる人は、センテナリアン1000人につき1名くらいしか存在しないそうですが、100歳くらいなら環境要因に気をつけることによって達成できるのではないでしょうか。
健康なセンテナリアンを目指して健康的な生活を送って行きましょう!

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